七式ドロップス

⚽️コラム書き。だが小説に浸かり アニメに溺れ ゲーム沼に沈む。

【感想・ネタバレなし】新感覚青春ホラー『夜道を歩く時、彼女が隣にいる気がしてならない』

カクヨム発の文芸書ということに加え、表紙のイラストにも一目惚れして購入した『夜道を歩く時、彼女が隣にいる気がしてならない』。

著者は和田正雪さん。ジャンルとしては青春恋愛ホラー

読了した感想としては、ホラーとしてはライトだけど随所にホラー的描写が使われていて、キャラの思考や台詞の巧みさもあって、恋愛とホラーが絶妙なバランスで絡み合いつつ話が進展。

作中では非日常的な展開が見られるものの、妙にリアル感のある主人公・米田と個性的なヒロイン・乃亜の対比がとても良くて、二人のホラー的な距離感というか何というか、うまく言えないんですけど、その関係性がお気に入りなのです。

そんなこともあり最後まで読み終えたあと、また二人に会いたくなるような、そんな物語でした。

その後、暫くして再び本作を読みなおしたのですが、二度目の方が味わい深いことが判明。噛めば噛むほど味が出る、ってやつですね。

初回とは違う視点から米田と乃亜の関係を読み進めたことで、新たな二人に会えたような感覚。ちょっと不思議な嬉しさが込み上げてきたのでした。

そんな『夜道を歩く時、彼女が隣にいる気がしてならない』ですが、カドブンの「『近畿地方のある場所について』著者、背筋が選ぶ今読むべきホラー&ミステリ5選」に選ばれていて、注目されている様子。背筋さんの書評もあるので、以下の画像をクリックしてリンク先のサイトで詳細を確認して頂きたく。

作品を選択した背筋さんの新作『近畿地方のある場所について』は、月末発売。こちらも、ぜひ手にしてほしいホラー作品。よろしければ是非。