LONGMAN『spiral』〜“いつまでもなんてない”過去の記憶
今期のアニメ主題歌で一番のお気に入りは無職転生オープニング、LONGMAN『spiral』*以下、youtubeへ
ストーリー展開に沿った映像と曲もさることながら、物語と歌詞のフィット感がたまらなく良い。
無職転生という主人公ルーデウスの人生そのものを描いた作品に対し、彼のこれまでの生き様や葛藤を振り返えらずにはいられない内容。
アニメでは短縮バージョンの歌詞となっているが、特にサビの部分はアニメ映像と共に見ているとぐっとくるものがある。
どこまでも行ける気がした
あの時の僕はどこだ
きっと大人になったとか
そういうことじゃなくてさ
あと少しだけの勇気で
変えられた明日はあった
それさえ気づけなかったんだ
そんな日はもうたくさんだ
いつまでもなんてないんだ
終わりゆくその前に
一歩踏み出してみた
受け入れながら
祈りながら
原作を読み終えている僕としては走馬灯のようにストーリーが思い浮かぶ。この先の展開を含めても絶妙な歌詞。フルバージョンの曲を聴けば、その感が更に強くなる。
特に、そんな歌詞のなかでも
いつまでもなんてないんだ
というフレーズが僕の心に突き刺さる。
そう、いつまでもなんてない。
あれだけ頑丈だった人が、突然倒れて言葉を失ったり。
あれだけ聡明な人が心を病んで記憶が戻らなくなったり。
あれだけ献身的な感情が、信念を持てずに崩れ去ったり。
あの時にこうしていればなんて後悔は、歳を取るにつれて増えていく。しかも、その時は後悔するとは気付かずに。
それでも、後悔を後悔のままにしたくない。だから、受け入れて前に進まなきゃいけない。
そんな僕の過去と重ね合わせてしまうこの曲は、きっと僕のプレイリストから二度と離れることはない気がする。